記帳代行を飲食店税理士がわかりやすく解説

毎日の営業で手一杯なのに、溜まっていく領収書の山を見るたびにため息が出ていませんか。飲食店を経営していると、レジ締めや仕入管理に追われて、帳簿をつける時間なんてほとんど取れないのが現実です。でも確定申告は待ってくれません。

実は、こうした日々の経理作業を専門家に任せることで、あなたは料理やサービスの改善、新メニューの開発といった本来やるべき仕事に集中できるようになります。飲食店向けに帳簿をつける業務を外部に委託すれば、正確な数字が毎月手に入り、経営判断もスピーディーになります。

この記事では、飲食店が外部に経理を任せる際の具体的な流れから料金の仕組み、キャッシュレス決済や減価償却といった飲食業特有の処理まで、実務で本当に必要な知識を分かりやすく解説します。業者選びで失敗しないためのチェックポイントも紹介しますので、経理の負担から解放されて店の成長に専念したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

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飲食店向け記帳代行の流れと運用方法

店舗の営業に全力で取り組んでいると、毎月の経理作業は本当に後回しになりますよね。領収書が山のように溜まり、レジの数字を帳簿に記録する時間もなかなか取れません。そんな日々の帳簿づけ業務を専門家が請け負ってくれるのが帳簿の記録を任せるサービスです。

外部に任せるとなると不安も出てくるでしょう。どんな手順で進むのか、月々どう運用していくのか。実際の流れを知っておけば、安心して依頼できます。

導入準備と契約内容の確認

最初にやるべきことは、自分の店に合った依頼先を見つけることです。税理士事務所を選ぶか、それとも代行専門の会社にするか。税務相談まで含めて任せたいなら飲食店税理士がいいでしょうし、コストを抑えたいなら専門会社という選択肢もあります。

依頼先を決めたら、サービスの内容をしっかり確認する段階に入ります。料金体系は仕訳の件数に応じた従量制なのか、それとも毎月定額なのか。月に何件くらいの取引が発生するかを把握しておくと、見積もりの精度が上がります。

契約を結ぶ際には、提出する書類についても明確にしておきます。領収書や通帳のコピー、クレジットカードの明細などをどのタイミングでどの方法で渡すのか。郵送するのか、データで送るのか、クラウド上で共有するのか。この段階で資料の整理方法を決めておくと、後々スムーズに進みます。

日次・月次処理と試算表確認

契約が済んだら、実際の業務が始まります。毎日の営業で発生した取引を記録するために必要な書類を集めましょう。現金での売上、仕入先への支払い、光熱費や家賃の引き落としなど、お金が動いたらその証拠となる書類を保管します。

月末になったら、それらの資料を依頼先に渡します。専門のスタッフが内容をチェックし、会計ソフトに入力していく流れです。通常は20日前後で試算表が出来上がります。急ぎの場合は特急オプションを使える業者もありますが、料金が上がるので普段から余裕を持って準備しておきたいところです。

試算表が届いたら、売上や経費の数字を確認します。前月と比べて大きく変動している項目がないか、予想と異なる支出がないか。この確認作業を通じて、店の経営状態を把握できます。数字を見ながら担当者と話すことで、改善すべきポイントも見えてきます。

決算・申告への引き継ぎ

年間を通して記帳を任せていれば、決算作業への移行もスムーズです。税理士に依頼している場合は、月次で蓄積されたデータをそのまま使って決算書を作成できます。確定申告に必要な書類も揃っているので、慌てる必要がありません。

ただし、記録を任せる業者と決算・申告を担当する税理士が別々の場合は注意が必要です。データの受け渡しがうまくいかないと、二度手間になったり費用が余計にかかったりします。最初から税理士事務所に一括して依頼しておくと、こうした問題を避けられます。

年度末が近づいてきたら、必要な追加資料がないか確認しましょう。棚卸しの結果や減価償却の対象となる設備の情報など、決算に必要な書類を準備します。日頃からコミュニケーションを取っておくと、必要な書類を漏れなく集められます。

記帳代行の料金相場と飲食店でのコストパフォーマンス

経理を外部に任せるとなると、やはり費用が気になります。店の規模や取引の量によって金額は変わりますし、どこまでの業務を含めるかによっても違ってきます。料金の仕組みを理解しておけば、予算を立てやすくなります。

料金体系の種類と相場

帳簿をつける作業を外部に依頼する場合、多くは取引の数に応じて料金が決まります。1件あたり50円から100円が一般的な相場です。月に100件から200件程度の取引がある小規模な店なら、月額で5千円から2万円くらいになります。

税理士事務所に顧問契約を結んで依頼する場合は、少し違った形です。個人事業なら月額3万円程度から、法人なら4万円程度からが目安になります。この中に帳簿づけの作業も含まれていることが多いです。決算や税務相談もセットになっているので、トータルで考えるとお得になるケースもあります。

定額制のプランもあります。取引量に関係なく毎月決まった金額を支払う形です。繁忙期と閑散期で取引量が大きく変わる店なら、定額制の方が予算を組みやすいでしょう。ただし、想定以上に取引が少ない月は割高に感じることもあります。

オプション料金にも注目しておきたいところです。減価償却の計算や棚卸しの処理、資金繰り表の作成など、追加で頼む業務には別途料金がかかります。それぞれ数千円程度の追加ですが、積み重なると意外な金額になります。

自社対応との比較・費用対効果を高める方法

自分で経理をやれば費用はかかりません。でも、時間と手間は確実にかかります。経理担当を雇うとなると、月に10万円程度の人件費が必要です。それと比べると、外部に任せる方が安く済みます。

経営者自身が経理をこなしている場合、その時間を営業や接客に使えたらどうでしょう。新しいメニューを考えたり、集客の施策を練ったり、より利益につながる活動に時間を使えます。経理の専門知識がない状態で帳簿をつけると、ミスも起きやすくなります。税務調査で指摘されたら追加の税金を払うことになるかもしれません。

費用対効果を高めるコツは、依頼する範囲を見極めることです。すべてを丸投げするのもいいですが、簡単な部分は自分でやって費用を抑える方法もあります。たとえば、現金の出入りだけは自分で記録して、それ以外を任せる形です。

また、複数の業務をまとめて依頼すると割引になる場合があります。給与計算や年末調整も一緒に頼めば、トータルの費用が抑えられることもあります。契約前に複数の業者から見積もりを取って比較するのも大切です。料金だけでなく、サービスの内容やサポート体制も含めて判断しましょう。

飲食店に多い会計処理と記帳代行での注意点

店を運営していると、独特の取引が発生します。現金だけでなくクレジットカードやQRコード決済も増えてきました。食材の仕入れや厨房設備の扱いにも気をつけないといけません。それぞれの処理方法を理解しておくと、外部に任せる場合もチェックがしやすくなります。

売上処理(現金・キャッシュレス対応)

現金で支払いを受けた場合は、売上として記録するだけでシンプルです。でも、クレジットカードや電子マネーで決済された場合は少し複雑になります。お客さんが支払った時点では現金が入ってきません。後日、決済会社から口座に振り込まれる形です。

売上が発生した日に、まず売掛金として記録します。実際に口座に入金されたときに、売掛金を消す処理をします。このとき、決済手数料が差し引かれているので、その分を支払手数料として経費に計上します。

たとえば、3千円の食事代をクレジットカードで決済されたとします。売上時には売掛金3千円と記録し、後日2850円が入金されたら、売掛金を消して手数料150円を経費にする流れです。

キャッシュレス決済が増えると、売掛金の管理が重要になります。どの決済方法でいくら売上があったのか、入金予定日はいつなのか。入金サイクルは決済サービスによって違うので、資金繰りを考えるときに把握しておく必要があります。

ポイントを使って支払われた場合も、店側では特別な処理は不要です。決済会社が処理してくれるので、通常通りの金額が振り込まれます。売上の計上額に影響しないので、そのまま記録すれば大丈夫です。

費用処理(仕入・備品・減価償却)

食材やドリンクの仕入れは、仕入高という勘定科目で記録します。毎日のように発生する取引なので、領収書や納品書を整理しておくことが大切です。日付順にまとめておくと、後で確認するときに楽になります。

備品の購入には注意が必要です。10万円未満のものは消耗品費として、その年の経費に全額計上できます。でも、10万円以上になると減価償却の対象です。冷蔵庫やガスレンジ、テーブルや椅子のセットなど、高額な設備は購入した年だけに経費を計上するのではなく、何年かに分けて計上します。

減価償却の期間は、品目ごとに法律で決まっています。厨房機器なら6年から8年、店舗の内装工事なら建物の構造によって異なります。この計算は複雑なので、税理士に任せた方が安心です。

店舗を改装したときの費用も減価償却の対象になります。壁や天井の工事、照明設備、空調設備など、工事の内容ごとに年数を分けて計算します。請求明細をしっかり保管しておかないと、後で困ることになります。

従業員の給与は賃金給与、家賃は地代家賃、光熱費は水道光熱費として記録します。それぞれの勘定科目を正しく使い分けることで、どこにどれだけお金を使っているのかが見えてきます。経営の改善点を見つけるためにも、正確な記録が役立ちます。

飲食店の記帳代行業者選びのチェックポイント

どこに頼むかで、その後の経営のしやすさが変わります。単に安いからという理由だけで選ぶと、後で後悔するかもしれません。自分の店に合った業者を見つけるために、いくつかのポイントを確認しておきましょう。

飲食業への対応実績と専門性

業種によって、経理の特徴は違います。製造業と飲食業では扱う勘定科目も異なりますし、注意すべき点も変わってきます。飲食店の経理に慣れている業者なら、現金管理や仕入処理、減価償却の扱いにも詳しいです。

実績を確認するときは、飲食店の顧客をどれくらい抱えているか聞いてみましょう。同じ業態の店をいくつも担当していれば、その分ノウハウも蓄積されています。居酒屋なのかカフェなのか、業態によっても売上の構造や原価率が違うので、似た業態の経験があると話が早いです。

税理士に頼む場合は、税務相談も含めて対応してもらえます。節税のアドバイスや、設備投資のタイミングなど、経営面での相談もできるので心強いです。記録を任せる専門会社の場合は、料金は安いですが税務の判断はできません。決算や申告は別の税理士に頼む必要があります。

専門性を見極めるには、初回の相談で質問してみることです。飲食店特有の減価償却の扱いや、キャッシュレス決済の処理について、分かりやすく説明してくれるかどうか。こちらの疑問にしっかり答えてくれる業者なら、安心して任せられます。

サポート・契約条件の確認

月次の報告はどういう形で行われるのか。試算表を送ってくるだけなのか、それとも直接説明してくれるのか。数字の見方が分からないと、せっかくの資料も活用できません。電話やメールでの相談にどこまで対応してくれるのかも確認しておきたいところです。

セキュリティ対策も重要なポイントです。売上や経費のデータは店の重要な情報です。情報漏洩があったら大変なことになります。秘密保持契約を結べるか、データの管理方法はどうなっているか。このあたりはしっかり確認しましょう。

契約期間や解約の条件も見ておきます。最低契約期間が決まっていて、途中で辞めると違約金がかかる場合もあります。サービスに不満があったときにすぐ変更できるのか、それとも縛りがあるのか。柔軟に対応できる業者の方が安心です。

料金の支払い方法や請求のタイミングも確認しておきましょう。月額で後払いなのか、前払いなのか。追加料金が発生する条件は何なのか。後から予想外の請求が来ないよう、最初に明確にしておくことが大切です。

複数の業者を比較するときは、料金だけでなく、サービスの内容や対応の丁寧さも含めて判断します。安くても対応が遅かったり、説明が不十分だったりすると、結局は損をすることになります。長く付き合えるパートナーを見つけるつもりで選びましょう。

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飲食店の記帳代行のまとめ

飲食店を経営していると、日々の帳簿づけは大きな負担になります。でも、この作業を外部の専門家に任せることで、あなたは本来やるべき店づくりに集中できるようになります。

飲食店が記帳代行サービスを活用すれば、正確な経理処理と時間の有効活用を同時に実現できます。導入の流れは、業者選びから契約、毎月の資料提出、試算表の確認という段階を踏んでいきます。料金は取引件数によって変わり、月額数千円から数万円が相場です。税理士に依頼すれば税務相談も含めた総合的なサポートが受けられますし、専門会社ならコストを抑えられます。

飲食店ならではの会計処理として、キャッシュレス決済の売掛金管理や、厨房設備の減価償却といった特有の処理があります。業者を選ぶときは、飲食業への対応実績とサポート体制をしっかり確認しましょう。自分の店に合ったパートナーを見つけることで、経営の数字が見えやすくなり、より良い判断ができるようになります。

項目 内容
導入の流れ 業者選び→契約→資料提出→試算表確認→決算申告
料金相場 仕訳1件50〜100円、月額5千〜2万円程度(取引量により変動)
依頼先の種類 税理士事務所(税務相談込み)、専門会社(コスト重視)
飲食店特有の処理 キャッシュレス決済の売掛金管理、減価償却の計算
業者選びのポイント 飲食業の実績、サポート体制、セキュリティ対策
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